この記事は2026年3月15日に作成しました。


新しい事業を始めるにあたり、本来であればスモールスタートが望ましいです。


しかし就労支援事業を新しく始めるには、どうしても大きなコストをかけないといけません。


そもそも、事務所の初期費用だけでゆうに100万円程度は出ていきます。


その他にも様々な費用はかかってしまうのですが…どんな費用がかかるか、なかなかイメージできないかと思います。


そこでこの記事では就労継続支援B型施設を運営した筆者が運営当初にかかった費用について実際のデータをお伝えし、どのくらいの資金が必要なのかを解説します。


これからB型事業所を運営していきたいという方はぜひ参考にしていただけたらと思います。


就労継続支援B型施設を運営した時の実際のデータ

筆者の施設での実際のデータがこちらになります。


筆者の施設では、7月に施設を開所し、開所前からキャッシュフローをとっていました。


7月に開所なので、5月に不動産の初期費用等支払っていますが、この時点で約300万円を支払っています


その後、収支は毎月100万円近い赤字になっています。


開所した直後が最も赤字が多くあり、その後だんだんと緩やかに赤字が小さくなっています


主な支出の項目として、職員の人件費、役員報酬、地代、家賃、法定福利費、広告宣伝費などがあります。


上記の内容に関しては月で固定にかかるものなので、基本的には最低限の支出がこれらの項目で100万円以上かかります。


特に大きいのが地代家賃人件費です。


これら2項目に関しては、支出を抑えられるものではありません。


減らせるとしたら、人件費として残業をさせないようにして残業代を抑えるくらいです。


役員報酬や人件費の約15%が社会保険料等の法定福利費となるため、法定福利費も減らすことはできません。


そのため7月から開所したこの施設に関しては、1期目の末にあたる1月まで単月での黒字はできませんでした。

他にかかる費用にはどのようなものがあるか

上述した費用以外にも開所する場所や戦略によっても費用は大きく変わってきます。


契約するテナントによってはゴミの料金が月に数万円かかったり、送迎を行う施設によっては車の購入やリースを使うなどする必要もあります。


その場合には、車の固定資産税や月数万円程度のリース料金がかかり、またガソリン代等の旅費交通費もかかります。


さらに開所する際に、施設の内装を整えるなどしたら、数十万円から100万円程度の内装工事費をかけることもあります。


施設の場所によっては、戦略として施設を認知してもらうために、近隣住民へのビラ配りなどをすることもあると思います。


ビラ配りを外注するとなったら数十万円程度のコストがかかることも考えられます。


他にも1期目から税理士に依頼するとなったら月に数万円がかかります。


これらの費用は施設ごとの特色があるため、地域柄や戦略を練って収支を見ていく必要があります。

就労継続支援B型施設を運営するにはいくら必要か、どうやって資金を用意するか

資金を用意するためには、自分で用意する自己資金と政策金融公庫や信用金庫から借りる融資があります。


ただし融資を受ける場合には会社の過去の実績事業計画代表者の信用力などで判断されます。


そのため、会社を作りたての状態や就労支援の経験等がない場合には、必然として融資を受けることができなかったり、希望する融資金額よりも低い金額に減額されます。


筆者は会社の経営経験もないし、作ってすぐの会社でした。


施設を運営していく中で、途中で融資を借りる想定はしていましたが、まずは自己資金として300万円を用意していました。


しかし300万円では、物件の取得費用の段階でほぼなくなってしまったためその後追加で200万円を自己資金として使い、その後信用金庫から500万円の融資を受けました。


結局、1期目の状態で1千万円ほど自己資金と融資を借りて工面した形になります。


そのためコンサルや相談でよく融資の話が出るのですが、筆者の経験上、融資でお金を借りる金額と同じ程度は自己資金も必要になると考えています。


そして融資を受けるタイミングに関して金融機関は、実際に施設が運営されているかどうかと言う点も注視します。


就労支援の場合では、指定書と言う厚生労働省が就労支援の施設と認定している書類の提出を求められます。


そのため融資を受けるタイミングに関しては、実際に就労支援の施設を開所して利用者の登録数や施設を開所してからのキャッシュフローの推移、今後の事業計画を持ってして、融資を受けるのがいいと考えています。


融資を受けること自体は、事業の将来の発展性等に影響するため推奨はしますが、開所当初から融資に頼ることを前提とした事業の計画は難しいと筆者は考えています。

終わりに


今回の記事では、就労支援における筆者の施設の実際のデータを見ながら、どの程度の資金が必要かをまとめました。


筆者の施設では、利用者の登録数についてはかなりスムーズに推移してきたと思っています。


しかし、それでも自己資金や融資を含め1000万円は事業を安定させるためには必要でした。


あくまでこれは目安ですが、それでも筆者はかなり支出を減らして経営をしていました。


地域柄や戦略的に、さらにコストがかかったり、逆にコストを下げられる部分もあると思います。


これから就労支援の施設を作りたいと言う方は、まずは自己資金がいくらあるのか、融資をどのタイミングで借りるかなど、今回の記事を参考に検討していただけたらと思います。