この記事は2025年1月1日に作成しました。
あなたは身近に何気ないことを話せる人はいますか?
何となく「一人でいることが精神疾患に対して悪い気がする」と思っているかもしれませんが、あまり詳しく調べたことは少ないかもしれません。
2024年に出された論文によって、孤独感が抑うつ症状を高めるという趣旨の論文が出されました。
そこで今回はこの論文について、わかりやすくまとめていきたいと思います。
孤独な状態よりも、孤独と感じることが…
研究内容

今回紹介する研究は以下から原著を確認できるので、気になる方はぜひご覧ください。
筑波大学、弘前大学、東洋学園大学の研究グループは、社会的孤立や孤独感が抑うつ症状にどのように影響するのかを解明するため、日本人を対象に大規模調査を実施しました。
この研究では客観的な孤立状態と、主観的な孤独感について着目されています。
客観的な孤立状態:一緒に住む家族がいない、友人との交流が少ないなど
主観的な孤独感:一人ぼっちだと感じる、周りに支えてくれる人がいないと感じるなど
つまり客観的に見て「なんか孤立しているな」と思っても、その人が「今は一人だけど友達がいるし」と思っていたら孤独感は感じていないということですね。
結論からお伝えすると、特に主観的な孤独感が強い人ほど抑うつ症状が悪化することが示されました。
つまり孤独感を感じやすい人の方がメンタルヘルスに与える重大な影響を受けやすいということです。
次に具体的な研究のデータについて見ていきましょう。
研究の具体的なデータ

この研究は2022年3月にオンライン調査が実施され、全国の日本人成人3315名(平均年齢50.5歳)が対象となりました。
調査項目には以下のようなものがあります。
社会的ネットワークの規模:家族や友人との接触頻度、所属するコミュニティなどを測定
社会的孤立の認知:自分が社会的に孤立している感じる度合いを評価
孤独感:社会的なつながりの欠如や仲間との人間関係が、理想の状態でない否定的な感情
抑うつ症状:本研究では調査回答時から過去2週間において抑うつ症状にどのくらい頻繁に悩まされたかを調査
この研究の結果、以下のような関連がわかりました。
◯社会的ネットワークが少ない「客観的に孤立してる状態」そのものは、抑うつ症状とほとんど関連がない
◯社会的に孤立していると主観的に感じ、孤独感があると抑うつ症状と関連する
◯さらに孤独感を当人が認知(自覚)すると、抑うつ症状はより高まる
ちなみにこの結果については、男女で特に違いはないようです。
つまり性別に関係なく、孤独感を自覚することが抑うつ症状を生じやすくなるということです。
「あっ私って一人ぼっちなんだ…」と意識してしまうことが、抑うつ症状を引き起こしやすくなるんですね…。
なぜ抑うつ状態になってしまうのか

海外の論文の中には次のようなものがありました。
人間が孤独を感じること(知覚される社会的孤立)が、認知や健康に及ぼす影響
この論文の中では、人が孤独を感じることで、様々な健康影響が示唆されています。
◯高血圧
◯コルチゾールの増加
◯睡眠の質の低下
◯遺伝子発現に影響を及ぼし、炎症応答を促進する可能性
脳の報酬系システム等の言及もありましたが、今回は割愛します。
コルチゾールは、別名「ストレスホルモン」と呼ばれるものです。
コルチゾールの過剰分泌はうつ病や不眠症の発症にも関連する可能性があると言われています。
そのためストレスホルモンを過剰分泌させる「孤独感」が抑うつ症状を起こす可能性がありますね。
まとめると…
このようなプロセスを辿っている可能性があります。
孤独を自覚してしまうことで、抑うつ症状になりやすくなるんですね…。
まとめ
今回は孤独感と抑うつ症状の関係についてまとめました。
今回の話から、裏を返せば次のようなことが言えますね。
◯どれだけたくさん友達がいても、自分が孤独だと感じると抑うつ症状になりやすくなる
◯客観的に孤独であっても、自分が孤独感を感じなければ抑うつ症状になりにくい
◯飛躍して考えると、何かに没頭し孤独感を感じなければ抑うつ症状になりにくい
たくさん友達がいても親友がいない、一人の時間が大好き、というような人はいるかと思います。
自分が、自分の状況や環境をどう感じるかというのが重要なんですね。
もし「自分は孤独だ…」と感じてしまっている人がいるなら、医療・福祉機関でもいいし、筆者に話しかけていただくのでも大丈夫です。
「誰かと話す」ということで気が紛れるし、今の状況が変わるきっかけになるかもしれません。
一人きりで悩まないでくださいね。