この記事は2025年1月7日に作成しました。


2024年は医療と福祉の報酬が同時に変わる大改定でした。


今回の報酬改定の中に、処遇改善加算についても変更があったことをご存知の方もいるかと思います。


しかしこの処遇改善加算の改定が、自分の給与にどのように反映されるかまで把握できていない人も多いのではないのでしょうか?


そこで今回は処遇改善加算がいかに自分の給与に関係があるかを、処遇改善加算の難しい話を抜きにしてお伝えしたいと思います。


この記事を読むことで、自分の給与にちゃんと反映されているか自分のいる施設が処遇改善加算を取得しているかなどがわかります。


その上で、もし違和感があるとしたら次の行動に移しましょう。


就労支援員に関わる処遇改善加算の要点

2024年4月の改定で、処遇改善加算については割合が引き上げられました。


というのも、これまで以下の項目がありましたが、それを統合して「処遇改善加算」と一本化したからです。

◯処遇改善加算

◯特定処遇改善加算

◯ベースアップ等支援加算

細かく解説はしませんが、どの項目についても月々の訓練給付費と共に施設に支給され、そして従業員に分配するものになります。


そして前述した通り、統合に伴って処遇改善加算の割合は引き上げられています。


ただしその全額が従業員の給与に反映されるわけではありません。


給与では天引きされるものとして社会保険料などがありますが、社会保険料と同額を会社は法定福利費として労働局等に支払います。

つまり従業員の給与が上がるごとに、会社の法定福利費は増えるため会社の負担が増えます。


そのため処遇改善加算は訓練給付費と共に支給された金額を、すべて従業員に支払うのではなく、法定福利費に充てることができます。


ちなみに、あまり見たことはないと思いますが、処遇改善加算は以下のような書式で訓練給付費と共に支給されます。

この金額が従業員の給与と法定福利費分として支給されるわけですね。


元々、処遇改善加算については従業員のための加算のためですが、会社が負担する分についても考慮してくれているということです。


ちなみに処遇改善加算には区分(ランク)があり、Ⅰが最大でⅣが低くなるのですが、この区分の要件についても別途まとめたいと思います。


2024年の改定で変わった重要な点

次に2024年の改定でこれまでと変わった処遇改善加算の重要な点についてまとめます。


以下は厚生労働省が公示した処遇改善加算の変更に関するパンフレットになります。

「処遇改善加算」の制度が一本化

このパンフレットの中に記載してある「月額賃金改善要件」というものがあります。

わかりにくい点はありますが、これは新加算で施設に支給された処遇改善加算の1/2または2/3を従業員の月々の賃金に充当するということです。


そのため今回のテーマである2024年度の給与が変わったかというのは、この月額賃金改善要件がしっかりとなされているかということですね。


ちなみに2024年度より前は、月額賃金要件について厳密に定められていませんでした。


処遇改善加算を取得していても、多くを賞与に充当されることも可能としてたため月々の賃金で処遇改善加算について考えることはほぼなかったと思います。


処遇改善加算があっても、従業員が給与の改善を感じられなかったらせっかくの「処遇」を改善する制度の意味合いが薄れますもんね。


これまでの話を、先に紹介した処遇改善加算の金額を例に考えると…

635,270円 – 法定福利費(約15%) = 539,979円

539,979円 × 1/2(月額賃金要件) = 269,989円(1/2は賞与等で充当)

269,989円 ÷ 従業員数(例として8人とする) = 一人当たり33,749円

↑の金額が月々の給与で支払われる金額

上記のように考えられると思います。


もちろん、あくまでこの計算は想定ですので自治体などから支給される処遇改善加算の金額によって変動します。


また処遇改善加算は基本給に含める施設もあるかもしれません。


弊社では基本給と別に「処遇改善加算」の項目を給与明細に入れていますが、これは厳密に規定がないです。


そのため給与明細を確認する時には、2024年3月の給与明細の「基本給」「処遇改善加算」についてを比較するといいと思います。


例で示した通り、処遇改善加算の1/2〜2/3は月額賃金で支払う必要がありますが、残りは賞与に充当できます。


ただし今回は月給について注目しているため、賞与については割愛したいと思います。


自施設の処遇改善加算について調べる方法

2024年度の改定には、次のものも新しく新設されました。

情報公表未報告減算

これは自施設について「報告すべき情報」をインターネット上に公開しなければ報酬が減算されるものです。


インターネット上で公開しなければいけないということで、「wamnet」というサイトの障害福祉サービス等情報公表システムがあります。

wamnetは前述した通り、自施設の情報をネット上に公開するサイトです。


そしてwamnetに公開していないと報酬の減算対象になるため、日本の多くの施設が情報を公開しているのではと筆者は考えています。


wamnetには検索した施設の処遇改善加算の区分についても掲載されています。

STEP1
wamnetの「障害福祉」のタブ
STEP2
自施設を探す
STEP3
「サービス内容」をクリック
STEP4
処遇改善加算の項目を確認

これで処遇改善加算の情報を調べることができます。


ただ、処遇改善加算の区分がわかってもどのくらいの支給金額があるかはわからないです。


そのため、処遇改善家算を取得していることを確認して、自分の2024年3月と、それ以降の給与明細を比較するといいと思います。


ぜひ自施設について調べてみることをオススメします。


まとめ


今回は処遇改善加算と給与についてまとめました。


処遇改善加算は医療や福祉に携わる従業員の給与を上げるために設けられた加算です。


しかし従業員としては加算のこともよくわからないし、自分たちにいかに反映されているかも実感しにくい加算です。


2024年は特に物価上昇で生活が逼迫した人もいると思います。


そして2025年は引き続き物価高騰していくとニュースでは報道されています。


自分たちの生活に余裕がなければ、仕事に対してやりがいが持てないし、将来への不安が募ってしまいます。


就労支援は重要な仕事です。


でも賃金水準は決して高くない仕事です。


ぜひ自分の収入を増やす工夫もしながら、節約なども行い、楽しく仕事に励んでいただきたいです。


自分の給与について、一度改めて知っていきましょう